![]() | ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉 マーク トウェイン (1977/08) 岩波書店 この商品の詳細を見る |
トム・ソーヤーの方は日本でもかなり有名、私と同世代の方は「アニメで見た!」って方も多いのでは?
実はこの続編の方が、アメリカで一番子どもに読まれている本らしいです。
トム・ソーヤーの方は「古き良きアメリカ」。
やんちゃで腕白なトムの冒険は、誰もがきっと子どものころに憧れるはず。
その同じ時代を背景にした続編『ハックルベリー・フィンの冒険』では、「古き良きアメリカ」の闇の部分が描かれています。
奴隷制度、です。
ハックは白人なんだけど、アル中の父を持つ浮浪児。
普通に学校には行けない子ども。
人種的には差別をする側。でも受ける側でもある。
そして、トムの家から逃げ出した黒人奴隷ジムと逃亡の旅にでます。
でもハックは子どもだから、声高に「奴隷制度反対!」なんて叫ばない。叫べない。
奴隷制度はなにかがおかしいと思いつつ、でも現実にある奴隷制度に反逆する自分に自責の念を感じたりもするのです。
ハックに「自責の念」を持たせてしまうトコロに、奴隷制度の本当の怖さをじんわりと感じてしまいます。
って書くと、すごく小難しい本のように思いますが、内容は冒険小説。読み口は軽快で、大人ならものの2時間もあればよめちゃうかな?
永遠の古典の一つです。
![]() | 幼な子われらに生まれ 重松 清 (1996/08) 角川書店 この商品の詳細を見る |
離婚していて子どもがいる人との結婚を考えている人にも。
主人公はバツイチ男性、バツイチ女性と結婚している。
そして、前妻との子どもとは離れて暮らし、バツイチ女性の子どもたちと暮らしている。
有り勝ちなパターンかも。
夫婦仲は・・・いい感じ。
離婚後、再婚するというのは結構あること。
その再婚相手が、離婚について理解がある人だった。
子どもをかわいがってくれる。
お互いにいたわりあい、愛し合うことができる。
これって、離婚後のベストの形のひとつでしょう。
それでも、やはり起こってくるんですね、いろんな小さな事件。
再婚相手との子どもとの関係、別れた妻との間の子どもの関係。
決して不真面目ではなく、真摯で、いたわりの気持ちをもっている夫婦同士で起こってくるいろんな問題。
離婚前・再婚前の心構えとして、「こういうことが起こる可能性もあるんだ」ということをちらっと覗き見るにはいいのでは・・・。
「ナイフ」「エイジ」といった代表的重松本しか読んだことのない方にはちょっと重いかも。
でも、最後にちらっと、ほんとに小さいけどちらっと光が見えるところはしっかり重松調。
![]() | 双頭の鷲 佐藤 賢一 (1999/01) 新潮社 この商品の詳細を見る |
違います。
彼の作品の一番の特徴は、なんといっても「聖なるものと俗なるものの混淆」です。
なんて私はずっと思ってました。
これ、実はかのヴィクトル・ユゴーの唱えた「ロマン主義」の主張まんまなんですね。恥ずかしながら佐藤賢一現時点(2006年4月)の最新作、『褐色の文豪』で知りましたが・・・。
そんな佐藤賢一作品はどれも傑作です。でも『双頭の鷲』がなんと言っても最高傑作。
この本の中には、人が生きていて感じる全ての感情が詰め込まれているのです。いや、ほんとに。
男女間の愛情一つとっても、せつなーい初恋から、穏やかな夫婦の愛情、性欲だけの愛、倦怠期の愛(?)までいろいろありますよね。全部書いてあります。極め付きのプラトニックも・・・。
ほかにも、家族や兄弟間の憧れと葛藤、友情、嫉妬、名誉欲、堕落から自暴自棄からあきらめから復活から。ほんと全部です。
よく「上司に読ませたい本No.1」なんて企画やってますが、これは上司にも部下にも同僚にも、彼氏にも彼女にも夫にも妻にも子どもにもぜひ読ませたい!
あ、力はいりすぎ・・・。
そこそこ長編ですが、「これでもはしょってるやん〜」という主人公・ベルトランの波乱万丈の人生と、佐藤賢一特有の「ちょっと調子にのって筆すべりがち」的な絶好調の文体で、じゃんじゃん読めます。
難を言えば、フランス史を全く知らない人はフランス独特の政治体制がわかりにくいかもだけど、佐藤賢一入門としてもお勧めです。
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