離婚専門行政書士・エノモトのブックレビュー

活字中毒・エノモトのブックレビューです。 離婚関連、子ども関連、趣味関連の本の紹介をしています。

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サイゴンから来た妻と娘

サイゴンから来た妻と娘 サイゴンから来た妻と娘
近藤 紘一 (1981/01)
文藝春秋
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つい最近、友人と「キューキョクの愛」について話をした。

その友人は、ちょいややこしいけど別の知り合いから『容疑者Xの献身』by言わずと知れた東野圭吾、が良いと、これぞ「キューキョクの愛だ!」と勧められたらしい。

でもねえ、あれって。
いわゆるオタクじゃないっすか?
ちょいストーカー入ってるっしょ。

ってのがエノモトの感想。

大体、東野圭吾の本は『容疑者X~』と、あとなんだっけ、『手紙』だかなんだかしか読んじゃいないけど、基本的にしんきくさくって気持ち悪いのだ。

あんなもん、キューキョクの愛でも無償の愛でもないやいっ。
自己中の妄想だ。

東野圭吾ファンの方、すみません。
文章うまいし、あれが好きな人がいることは理解できるんです。
でもあたしはダメですね。


で、ですね。
エノモトの考えるキューキョクの愛の姿が、この『サイゴンから来た妻と娘』3部作。
ちなみに続は『バンコクの妻と娘』『パリに行った妻と娘』であります。

特派員としてサイゴンに行った近藤紘一が出会った、「ダリアのような笑顔」の妻。妻の連れ子の娘。

この二人に対する愛はもちろん、その底流に流れる、亡くなった元の奥さんに対する愛。
それが、『目撃者-近藤紘一全軌跡1971~1986』の『夏の海』に流れ込んでいく。

『目撃者』の悼辞で司馬遼太郎がいみじくも書いた、「多すぎる愛」を堪能できます。

ん~。好きすぎてうまく書けないや。

ベトナム人の奥さんが、最初のうちのデートで近藤紘一に「前の奥さんのこと思い出す?」と聞くシーンがあります。
近藤紘一は、「毎日思い出す」と答えます。
奥さんは、「ふうん」だかなんだか答えます。

確かこれが、『サイゴンから来た妻と娘』で、前の奥さんについて語られた唯一のシーン。

帰国子女で、自分の居場所が見つからないまま亡くなった元の奥さんに対する罪悪感と、新しい娘ミーユンちゃんを祖国から、戦火を逃れるためとは言え引き離してしまった慙愧の念が入り混じりつつも、ミーユンちゃんにデタラメ日本語を教えて、「近藤のコムスメです」と言わせてしまうそのセンス。

年頃になったミーユンちゃんの前で、奥さんと「ベタベター」を繰り広げ、知人の夫婦に怒られてしまうそのかわゆさ。

故郷のベトナム料理が懐かしくなった奥さんのために、かえりかけのニワトリの卵を、わざわざ養鶏場に仕入れにいくやさしさ。

この辺りで、溢れ出る近藤紘一の愛を感じてください。

上記『夏の海』では、『世界の中心で愛をさけぶ』を読んで、「けっ何がセカチューだ、こんなのジコチューじゃん」と唾を吐いたエノモトが、今までの人生で唯一声を上げて泣いてしまった小説。

まあ、深く考えずに夫婦間異文化交流としても、おもしろおかしく楽しく、しかし切なく読めます。

(もう亡くなってるけど)近藤紘一は、結婚したい男性No.1です。
ちなみにNo.2は椎名誠かな。


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