離婚専門行政書士・エノモトのブックレビュー

活字中毒・エノモトのブックレビューです。 離婚関連、子ども関連、趣味関連の本の紹介をしています。

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あしたてんきになあれ

あしたてんきになあれ あしたてんきになあれ
永松 美穂子、薩摩 菜々 他 (2005/06)
未知谷
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子どもに離婚を説明するのに最適な絵本があります。


あしたてんきになあれ 作/薩摩奈々 絵/永松美穂子 出版/未知谷という本です。

作者の薩摩奈々というのは、個人名ではなく、平成14年度に鹿児島家庭裁判所に配置された家庭裁判所調査官のうち、9名の方のペンネーム?らしいです。

絵本の内容もすごく良かったのです。
離婚のこと、お子さまにどうやって説明しようかと悩んでおられるお父さん・お母さんは、本屋さんで見つけたら是非手にとってみてください。


絵本の一番後ろに、「この絵本を読んだお父さんお母さんへ」という文章がついています。
これにものすごく共感したので、一部抜粋したりします。
以下、太字は引用です。


幼い子どもは、自分の身に何が起ころうとしているのかが分からないため、強い不安を抱きます。子どもの想像は、例えば「お父さんがいなくなったのだから、お母さんも突然いなくなるかもしれない」などと悪い方向にふくらみ、見捨てられるのではないかという不安が増大します。

子どものころ、別になんでもないのに夜中「今お母さんが死んだらどうしよう」なんて泣いちゃったことないですか?ないかな?
私はありますね、何度も。
まあ、不安が強い子どもだったのかもしれませんが。
これが、両親が離婚してなくてもそうなんだから、離婚していたらもっともっと不安ですよね。
だから・・・。


親の離婚を経験する子どもは、それを経験しない子ども以上に、親の豊かな情緒的援助を必要としています。
そう、これが言いたかったんです。いつもうまく言えなくて悩んでたんだけど・・・。
だからこそ、面接交渉が重要になってくるのです。


そして・・・。
子どもの誕生は父母にとって最大の喜びであったこと、~中略~、争いを避けるための選択としてやむをえず離婚を選んだことなどを説明し・・・

離婚することと、子どもを愛していることは別問題だということをきちんと子どもに伝えること。

それから、「争いを避けるための離婚」だということを、子どもに説明すると共に、自分でも忘れないようにしてください。

より良い人生を手に入れるために離婚だということを、常に頭に入れておいてください。

お子さまにとっても、いつまでも「離婚してしまった」なんて悩んでいるお母さんorお父さんより、「離婚したけど楽しくやるよ~」って姿を見せる方が絶対にいいはず!と思っています。


実際に当事者の立場に立つと、いろいろ混乱したりイライラしたりすること、あると思うんです。私はよくわかります。

でも、上の二つのことを心の中に常に置いていれば、事態は少しマシになるのでは・・・。

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二進法の犬

二進法の犬 二進法の犬
花村 萬月 (1998/11)
光文社
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言わずと知れた芥川賞作家。

この人の描写はものすごく暴力的でエロチックで「吐き気がするからキライ」なんておっしゃる婦女子もたくさん・・・。
もんのすごくエロいやつもあります。『ぢん・ぢん・ぢん』とかね。

かと思えば、『皆月』みたいにそこそこ上品なやつも。
芥川賞の『ゲルマニウムの夜』なんかはものすごく純文学よりでちょい難解だったり。

『二進法の犬』は、そこまで暴力的でもなくエロくもなく、そんなに難解でもない。

というと、なんだか中途半端なようですが、どの要素もそこそこ入っている。初心者にも上級者にもお勧めです。


暴力団の女子高生の娘・倫子×家庭教師・兵輔。
これだけで萬月ファンには何が起こるかはわかろうってもんですが、この二人の関係は萬月氏の本にしては、なんともじれったくていい感じ。

呼び名が「倫子くん」「倫子」「お前」なんてかわっていく過程に柄にもなく興奮してしまう。

それに倫子が「わかってくる」(何をだ)過程も、兵輔が「男になっていく」過程もね。

その変わり方がなんとも愛おしいのです。


途中で急展開します。

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ハックルベリー・フィンの冒険

ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉 ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉
マーク トウェイン (1977/08)
岩波書店
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『トム・ソーヤーの冒険』の続編です。

トム・ソーヤーの方は日本でもかなり有名、私と同世代の方は「アニメで見た!」って方も多いのでは?

実はこの続編の方が、アメリカで一番子どもに読まれている本らしいです。

トム・ソーヤーの方は「古き良きアメリカ」。
やんちゃで腕白なトムの冒険は、誰もがきっと子どものころに憧れるはず。

その同じ時代を背景にした続編『ハックルベリー・フィンの冒険』では、「古き良きアメリカ」の闇の部分が描かれています。

奴隷制度、です。
ハックは白人なんだけど、アル中の父を持つ浮浪児。
普通に学校には行けない子ども。
人種的には差別をする側。でも受ける側でもある。
そして、トムの家から逃げ出した黒人奴隷ジムと逃亡の旅にでます。

でもハックは子どもだから、声高に「奴隷制度反対!」なんて叫ばない。叫べない。
奴隷制度はなにかがおかしいと思いつつ、でも現実にある奴隷制度に反逆する自分に自責の念を感じたりもするのです。

ハックに「自責の念」を持たせてしまうトコロに、奴隷制度の本当の怖さをじんわりと感じてしまいます。

って書くと、すごく小難しい本のように思いますが、内容は冒険小説。読み口は軽快で、大人ならものの2時間もあればよめちゃうかな?

永遠の古典の一つです。

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幼な子われらに生まれ

幼な子われらに生まれ 幼な子われらに生まれ
重松 清 (1996/08)
角川書店
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子どもがいて離婚を考えている人には是非読んでもらいたい1冊です。
離婚していて子どもがいる人との結婚を考えている人にも。

主人公はバツイチ男性、バツイチ女性と結婚している。
そして、前妻との子どもとは離れて暮らし、バツイチ女性の子どもたちと暮らしている。
有り勝ちなパターンかも。

夫婦仲は・・・いい感じ。

離婚後、再婚するというのは結構あること。
その再婚相手が、離婚について理解がある人だった。
子どもをかわいがってくれる。
お互いにいたわりあい、愛し合うことができる。
これって、離婚後のベストの形のひとつでしょう。


それでも、やはり起こってくるんですね、いろんな小さな事件。
再婚相手との子どもとの関係、別れた妻との間の子どもの関係。

決して不真面目ではなく、真摯で、いたわりの気持ちをもっている夫婦同士で起こってくるいろんな問題。


離婚前・再婚前の心構えとして、「こういうことが起こる可能性もあるんだ」ということをちらっと覗き見るにはいいのでは・・・。


「ナイフ」「エイジ」といった代表的重松本しか読んだことのない方にはちょっと重いかも。

でも、最後にちらっと、ほんとに小さいけどちらっと光が見えるところはしっかり重松調。

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双頭の鷲

双頭の鷲 双頭の鷲
佐藤 賢一 (1999/01)
新潮社
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佐藤賢一の本一番の特徴は、フランスもの???
違います。
彼の作品の一番の特徴は、なんといっても「聖なるものと俗なるものの混淆」です。
なんて私はずっと思ってました。

これ、実はかのヴィクトル・ユゴーの唱えた「ロマン主義」の主張まんまなんですね。恥ずかしながら佐藤賢一現時点(2006年4月)の最新作、『褐色の文豪』で知りましたが・・・。

そんな佐藤賢一作品はどれも傑作です。でも『双頭の鷲』がなんと言っても最高傑作。
この本の中には、人が生きていて感じる全ての感情が詰め込まれているのです。いや、ほんとに。

男女間の愛情一つとっても、せつなーい初恋から、穏やかな夫婦の愛情、性欲だけの愛、倦怠期の愛(?)までいろいろありますよね。全部書いてあります。極め付きのプラトニックも・・・。

ほかにも、家族や兄弟間の憧れと葛藤、友情、嫉妬、名誉欲、堕落から自暴自棄からあきらめから復活から。ほんと全部です。

よく「上司に読ませたい本No.1」なんて企画やってますが、これは上司にも部下にも同僚にも、彼氏にも彼女にも夫にも妻にも子どもにもぜひ読ませたい!
あ、力はいりすぎ・・・。

そこそこ長編ですが、「これでもはしょってるやん~」という主人公・ベルトランの波乱万丈の人生と、佐藤賢一特有の「ちょっと調子にのって筆すべりがち」的な絶好調の文体で、じゃんじゃん読めます。
難を言えば、フランス史を全く知らない人はフランス独特の政治体制がわかりにくいかもだけど、佐藤賢一入門としてもお勧めです。

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